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等身大の働き方やキャリアについてのメンバーインタビュー・(株)抽出舎 代表取締役 小山和裕さん

私達の身近にいるロールモデルが、現在のキャリアや働き方を見つけるに至った過去の経験談をインタビューしてお届けするシリーズ。

第3回のメンバーインタビューは、西荻窪はもちろん遠方からのファンも集う日本茶カフェSaténJapaneseTeaを立ち上げた(株)抽出舎 代表取締役 小山和裕さんです。

実は、警察官になりたかったという小山さんが、なぜ飲食、なぜ日本茶を選んだのか?個人事業主ではなく会社を設立して実現したい働き方などについてインタビューさせていただきました。 是非、美味しい日本茶と共に、日本茶を愛する小山さんのお話をお楽しみ下さい。

早速ですが、今どんなことをされているのか、自己紹介をお願いできますか?

株式会社抽出舎を2年前、2018年2月に創業し、同年4月に杉並区西荻窪に日本茶スタンドSaténJapaneseTeaをオープンしました。

現在は、上記の飲食店運営をメインに、日本茶卸販売、日本茶がメインとなる店舗プロデュースやディレクション、セミナーやイベントの企画運営、専門学校の講師をやらせていただいております。 アメリカのサードウェーブコーヒーの代表格・ブルーボトルの元ヘッドバリスタだった藤岡響と私の2人で会社と店舗を立ち上げ、現在はアルバイト4人の計6人で店舗運営をしています。

 

起業前はどんなことをしていましたか?これまでのキャリアについて教えてください。

警察官に憧れて、刑法を学ぶ法学部に進学しましたが、学んでいく中でイメージしていた仕事ではなさそうだなと思ったことと、当時ジェンダーレスやLGBTという言葉が出始め、ボーダーレスな風潮が高まっていく時代背景もあり、僕が本当にやりたかったのは、ボーダーレスなコミュニティつくりだと。

それを実現させる最適な方法は、カフェをつくることだという答えに至り、大学卒業後は全く畑の違う業務用冷蔵庫販売会社に営業職として新卒入社しました。 その後、バリスタになるためにコーヒーを学べる環境があることと現場での経験を積むために、コーヒーを提供しているファミリー向けイタリアンレストランを経て、日本茶を学ぶために日本茶専門店2店舗で働きました。 偶然にも、デザイン会社が運営するコーヒーと日本茶スタンド・UNI STANDの立ち上げに参画する機会に恵まれ、店舗の運営業務委託として個人事業主として2年程運営し、今の会社と店舗を立ち上げたという流れです。


日本茶をコンセプトにした飲食店舗を立ち上げるに至った背景を伺えますか?

イタリアンレストランで働いていた頃に、日本茶の世界に出逢い、その奥深さを感じたことから、日本茶に興味を持ち始めました。その頃は広めたいというよりは、学びたいという気持ちだったので、日本茶専門店で働くことになりました。

仕事を通じて、日本茶を仕事にする人達、農家や加工業者、卸問屋の存在を知ると同時に、なぜ日本茶業界にはコーヒーのバリスタのような淹れ手がいないんだろうという疑問も感じていました。 実は、お茶にはお金を払ってまで飲む価値がないと言われているのですが、その要因は、淹れ手がいないということだという想いが強くなり、知れば知る程、確信に変わっていきましたね。 僕がカフェをつくるなら、淹れ手としてコーヒースタンドのような日本茶スタンドができないかとずっと考えていた時にタイミング良く、コーヒーと日本茶というコンセプトのお店を立ち上げるというデザイン会社と出会い、新店舗の立ち上げと運営に参画することとなりました。

日本茶業界としては、広めたいと思っているのに、淹れ手=広める人がいないという現状があって、僕がカフェを開店することで、生産者である農家の想いやお茶の本来の美味しさ、淹れる楽しみをもっと広げたいという想いが強くなり、会社を立ち上げて、お店を構えるということに繋がりました。

個人事業主から株式会社にした背景について、もう少し詳しく聞きたいのですが、飲食店って結構、個人事業主として経営されているケースも多いと思うのですが、なぜ会社を設立したのですか?

今の飲食業って5年続けば良い方で、10年以上続けていくことが難しいと思うんです。

1人でやる場合、つまりオーナーが1人で30年も40年もずっと運営していくのは、これからの社会では働き方や年齢、収益構造的にもキツイなと思っていたので、飲食事業がメインだけども、それ以外の事業展開もできるビジネスモデルをつくっていくことと、それを組織化することが重要だと考えて、株式会社を設立しました。


飲食店舗の経営は、立ち上げ当初から順調でしたか?

収益面では厳しかったですが、お店全体としては順調なスタートだったと思います。 これまで僕や藤岡がお世話になった人達のおかげで、開店当初から良いお客様に恵まれましたし、西荻窪というエリアに出店できたこともとても良かったですね。 西荻窪って良い意味で、ごっちゃな街だなと思っていて、例えば、富裕層から庶民までが住んでいたり、飲食店は飲み放題で安いお店や横丁から看板すら出ていないような高級店までがあったりと他の中央線沿線のエリア、荻窪や高円寺、吉祥寺などとは異なるかなと。 また、お店の想いやコンセプトを汲んでくれる人達がすごく多いなと感じています。そんな感受性豊かな西荻窪の人達に僕達がハマったのかなと思いますし、彼らのルーティンの中にSaténを加えてくれたことは、すごく有難いなと思います。

 

過去と今の働き方について教えていただけますか?

イタリアンレストランに勤めていた時は、9am-12pmまで働き詰めでガンガン働いていました。

その後、転職した日本茶専門店では、イタリアンレストランに比べると営業時間が短くなったので、早く帰宅できていたので健康的な生活になりましたね。

コーヒーと日本茶スタンドの運営業務委託をしていた時は、僕1人しかいなかったので、9am-10pmに帰るという具合で、当初のハードワークに戻ったという感じですね。

今は働き方改革の流れもあり、飲食業界も8時間労働ということで改善されてきています。

トップが働けば働く程、スタッフが気を遣い休めなくなると思うので、今はあまりお店にいないようにしていて、外に出たりデスクワークをしています。

 

factoriaとの出会い、入会後の感想や使い方はどうですか?

僕は家では仕事に集中できないタイプということもあり、作業スペースを探していましたが、賃貸事務所を借りるとなると敷金礼金がかかり高額になるので、シェアオフィスだったら初期投資も抑えられるし、作業スペースも確保できるので良いなと。

実は、会社を立ち上げる時にもシェアオフィスを探していたので、factoriaも知っていましたが、初期投資をどれだけ抑えるかという理由で見送った経緯があります。 現在は、有難いことにお店がいつも混んでいるので、作業スペースがなくなってしまったことや、お店以外の仕事の案件が増えてきたことと新規事業展開の時期になってきたので、お店だけでとどまるのではなく、もっと人との繋がりやコミュニティを広げていきたいと思い、factoriaに入会しました。


また、シェアオフィスや作業スペースを探している際に、よく行くコーヒーショップの店長にそんなことを話したら、たまたま居合わせたfactoriaメンバーさんが「シェアオフィスだったらfactoriaがありますよ、コミュニティもいいですよ。」と。

これまでオフィスという環境で仕事をしたことがなかったので、僕が「シェアオフィスってどんな人がいるの?どんな環境で仕事ができるの?」とそのメンバーさんに質問すると...メンバーさんは「横の繋がりがあったり、コミュニティも良いし、スペースは大きくはないけど密集していなくて程よく距離感があって仕事がしやすいよ。」ということで、実際に話を聞いてみたいなと思い、内覧に行きました。

あの時に、factoriaメンバーさんに会ってなかったら、もうちょっと入会は先だったかもしれないですね。本当に良いタイミングでした。


僕のオフィスの使い方としては、平日と土日どちらかで大体週3日くらい利用し、事務処理から外部の仕事をしていたり。

会社の本店登記場所やお店では話せないような内容のミーティングや外部の方を招いてのミーティングにと多用しています。

入会後の感想は、一言で言うとすごく使いやすい。僕が怖がっていた変な威圧感を感じるみたいなことはないので、良かったです(笑)。

 

今、キャリアや働き方で悩み、考えている人にエールやメッセージをお願いします。

事業を立ち上げる時には、何かやりたいことを一つ必ずを持っておくことが大事で、それをどこまでやり抜くことができるのかがキーポイントになると思っています。

自分が実現したいものがあり、それを伝えられるかどうか。

最後は、誰になんと言われようとやり抜く気持ちが大事だと思います。


 

最後に、小山さんの今後の野望を教えてください。

僕の座右の銘なのですが、平和で寛裕に暮らしたいという想いがあり、プライベートでは、家族と幸せでありたい。事業では、寛裕を誰かと共有できたり、誰かの夢を叶えられる事業モデルをつくったり、そんなコミュニティをつくりたいと思っています。

小山和裕さんプロフィール

2012年頃より茶リスタの道を志す。 100年続く老舗お茶屋のカフェや、日本茶カフェを代表する表参道茶茶の間で日本茶の知識と技術を学び、2016年吉祥寺に日本茶とコーヒーのお店UNI STANDの立ち上げに参画。

運営期間の2年間で様々な媒体に取材をいただき、日本茶カフェブームの一角を担うお店へと成長させた。

日常に溶け込み、気づきのあるカフェを目指し、日本茶・コーヒー等を軸に様々な世界への繋がりを紡いでいくことを信条としている。 Webサイト:https://saten.jp

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