factoriaVOICE「ライフステージが変わっても、その働き方で大丈夫?_介護編❸前編では「家族仲の重要性」と「他の家族一人っ子の場合はどうすればいいのか?」についてディスカッションをしてきました。
後編は、家族仲=家族のチームビルティングと捉えて、会社のチームビルディングとの違いについて、ディスカッションを展開してきます。
チームビルディングは家族も会社も一緒!?
佐藤
恵子さんに質問なのですが、先程の「家族内のチームづくり、チームビルディングが必要だよ」というお話から、チームビルディングというと会社にも当てはまる部分もあるのかなと思うのですが、会社と家族の場合のチームビルディングとはどう違うのか、はたまた一緒なのかみたいな、そういう視点を教えていただきたいのですが、いかがでしょうか?
高木 チームを作るという点では、基本は似たところがあるんじゃないかなと思いますね。 まず、何のためにチームが集まるのか、何をゴールにするのかっていう目的を明確にした方がいいですし、 それから会社メンバーでどういう機能やタスクを担えるのか、どういう役割をするのかっていうのを決めますよね。 そのうち、こういうリソースが足りないな、ここはちょっと外部の人の力を借りたいなとか、何をアウトソーシングするのかを決めて、どういうメンバーを引き入れた方がいいのかというメンバーを決めますよね。 その上で、誰がリーダーか、 もしくはその分野というか、やることによって、ここの部分はお父さんがリーダーで、ここの部分はお母さんがリーダーでみたいなことがあるかもしれないです。シ
そういう指令系統みたいなことをはっきりしておくとかっていうことは基本一緒なのかなと思うんですよね。 ただ、会社と家族のチームビルディングで、何が違うのかなと考えると、コミュニケーションの部分なのかなと思います。 結局、何をゴールにしてやるのかっていうWHYの部分があって、それから何を誰がどうやるかていうところのHOWの部分がありますけど、HOWの部分で、大きな役割を果たすのは、いかに、チームの中のを効果的にやっていくかっていうことだと思うんですよね。
会社チームだと、最初はお互いをよく知らなかったりするので、どういう価値観で、どういう仕事をしていくかっていうところをお互いに知っていくっていう部分が、1つのハードルになると思うんです。
家族の場合は、逆にお互いをよく知っているようなつもりでいる。家族だから今更言わなくてもわかるでしょうという部分も、会社チームより多いんじゃないかと思うんですね。
それが家族の良さでもあったりするんですけども、ただそのまま介護だったり、育児もですけど、家族のプロジェクトを回していこうと思うと、距離感を普段よりも少し遠目にした方がいいと思うんです。
だから、言わなくてもわかるとかではなくて、言わないとわからないかもしれないっていう意識をしないと結構きついんじゃないかなと。
室津、佐藤
本当にそうです!深く賛同です。
高木 瞳さんの本「子育てと介護のダブルケア 事例から紐解く連携・支援の実際」を拝読していて、納得したことがあって。介護と愛情を別物として考えるみたいな、介護より愛情を大切にする。つまり、家族が介護やケアそのものを全部やろうと思うんじゃなくて、直接、介護やケアすることはプロに任せて、家族は愛情を持って接することができる状態を保っておかなくちゃいけないっていうことが書いてあったような気がするんですね。それがすごく大事だと思ったんです。
この部分って、やっぱり会社チームと、介護をする家族チームとの違いの大きな違いの1つだと思います。
仕事だとアウトプットするもの、例えばサービスやプロダクトに愛情がないとできないわけですよね。
それとは違い、介護やケアは、介護される人に愛情をいかに示してあげるかというところがゴールだとしたら、家族内でやたらとタスクや機能を負担するよりも、家族が介護される人に対して、どういう愛情を示してあげられるか、保てるかで、どう家族でタスク分担するかというジョブディスクリプションじゃないですけど、愛情ディスクリプションみたいなものを作るのは大事だなと思いました。
なので、会社と家族というチームで1番違うのはゴールなのかなと思います。
会社チームのゴールって何かのプロジェクトの成功だったり、新しい製品を出すことだと思うんですけど、家族チームのゴールは、愛情の部分がゴールなのかなと思うんですね。
介護される人を幸せにしつつ、自分達も家族として幸せに暮らしていける状態を作るのが、介護やケアのゴールなのかなと思うので、そこの違いが大きいのかなと気づきました。
佐藤 本当におっしゃる通りだと思います。罹患した人、その人を介護する家族のケアや自分のケアという全方向が大事ですよね。
室津
見事にまとめて頂きましたね〜。
高木
有難うございます。これは、瞳さんの本「子育てと介護のダブルケア 事例から紐解く連携・支援の実際」を読んで、そうだなとすごく思ったんです。
次回のテーマは、瞳さんが共著された「子育てと介護のダブルケア 事例から紐解く連携・支援の実際」についてのお話を伺っていきたいと思います。
室津瞳さんプロフィール
NPO法人こだまの集い 代表理事
看護師、介護福祉士
ダブルケア当事者の声を支援者・自治体に届けてダブルケアでも就労可能な社会への実現に向けて令和元年5月にNPO法人こだまの集いを設立する。
大川医療福祉専門学校にて専任教員。
武蔵野大学 外部講師。
Website:https://www.kodamanotsudoi.com/
高木恵子さんプロフィール
株式会社アンコモンポイント 代表取締役
大学卒業後、JTB、上海(中国)と台北(台湾)の外資系ホテル、国内ベンチャーで法人企画営業・マネージャー職のキャリアを積む。30代初めにイギリスでMBA取得後は、国内コンサルティング会社で、大手日本企業に対する海外事業戦略のコンサルティングに従事。現在は、エグゼクティブやマネージャー層へのビジネスコーチング、リーダー育成、チームづくり支援、ワークショップ型研修等で個人と組織の成長をサポートしている。
Website:https://uncommon-point.com/
factoriaVOICE新企画「ライフステージが変わっても、その働き方で大丈夫?_介護編」は、毎月TwitterSpacesにて公開収録しています!
是非、factoriaのTwitterアカウントにご登録頂き、是非公開収録にご参加頂けると幸いです。
それでは!
最後まで、読んで頂き有難うございます*:)
Comments